アサルト・ハンター(突撃猟兵)
「自分はなぜ戦場に向かうのか。お国のため、戦友(とも)のため……
否! 自分の帰りを待つ人々の、笑顔のためでは無かったか」
●背景
この歴史では19世紀中盤に心霊科学が発達し、人は誰でも正当な訓練をつめば、 霊能力(ルール的には「生得の魔法」)を身につけられることが明らかになりました。
さまざまな能力の中で、兵士にとって最も有用であったのが「矢よけ」と「矢返し」の能力です。 これらの能力を持つ銃弾の通用しない兵士たちは、突撃猟兵と呼ばれました。 彼らに対抗できるのは同じ能力を持つ兵士たちだけであり、戦場は数百年前の白兵戦の時代に逆戻りしました。
ディーヴァはこの世界を滅ぼすため、各国の軍部首脳に魔法ドラッグと核ミサイルの製法を教えました。 魔法ドラッグには霊能力の強度を飛躍的に高める効果がありましたが、それを服用した兵士たちはみな人格が荒廃してしまい、 戦線を維持できなくなった各国はなし崩しの停戦に同意し、その裏で核兵器を大量に配備し始めました。
そして一発のミサイルが発射されてしまい、際限のない報復攻撃による核の冬でこの異歴史は終焉しました。
優れた肉体と戦闘技術、さらに敵の霊能力攻撃に耐えるために鍛えた固い意志を持つ突撃猟兵達の魂が ドラコニスによって引き上げられ、竜の傭兵となりました。 もっとも、彼らは例外なく精神的な異常を煩っているので、かえって味方の足を引っ張ってしまうかもしれませんが……。
●能力値修正
- 「知力+2」(30CP)
●追加特徴
「鉄(クロガネ)の守り」(26CP)
あらゆる実体を持った長射程攻撃が、自動的に外れます。 《矢よけ》《発電》(1点分)の呪文を「生得の魔法」として取得していると扱います。 マジック完訳版・P82、P84、およびP103〜105を参照してください。
自分自身にしかかけられないため、必要CPが-30%されています。
●追加技能
技能名 | レベル | 消費CP | 掲載元 |
---|---|---|---|
〈銃剣術〉 | 敏捷+1 | 8CP | 銃剣を扱う技能 |
〈準備/銃剣〉 | 敏捷 | 1CP | ベーシック完訳版・P87 |
〈銃器/ライフル・TL6〉 | 敏捷+1 | 2CP | ベーシック完訳版・P86 |
〈再装填/ライフル〉 | 敏捷 | 1CP | ベーシック完訳版・P86 |
〈行軍〉 | 生命 | 2CP | ベーシック完訳版・P97 |
〈戦術〉 | 知力-2 | 1CP | ベーシック完訳版・P81 |
〈応急処置/TL6〉 | 知力 | 1CP | ベーシック完訳版・P68 |
〈ナイフ〉 | 敏捷 | 1CP | ベーシック完訳版・P87 |
〈格闘〉 | 敏捷 | 1CP | ベーシック完訳版・P84 |
〈忍び〉 | 敏捷-1 | 1CP | ベーシック完訳版・P94 |
〈運転/乗用車・TL6〉 | 敏捷-1 | 1CP | ベーシック完訳版・P82 |
〈銃剣術〉(肉体/難)
バヨネット(ナイフの一種)を装着したライフルを、接近戦用武器として使用する技能です。受けは技能レベルの半分です。
この武器は、近接戦闘でも-1の修正で「受け」が行えます。 その場合はナイフではなく、銃の腹の部分で攻撃を受け止めるので、素手攻撃を「受け」ても相手にダメージを与えられません。 基本的に銃剣は両手で使用する武器です。 片手で持った場合、ダメージが-1、技能レベルが-2され、銃剣術独自の格闘動作は使用できません。
〈銃剣術〉-2を、〈槍〉技能の技能なし値として使用できます。
〈準備/銃剣〉
バヨネットの取り外しや装着を行う場合、通常1ターンが必要ですが、この技能判定に成功すれば一瞬ですみます。
〈運転〉
プレイヤーが望むなら、この技能を〈ボート〉または〈オートバイ〉に置き換えてもかまいません。
●格闘動作
【打撃】:〈銃剣術〉(1CP)
- 修得:並
- 技能なし値:〈銃剣術〉-2
- 上限:〈銃剣術〉
銃座で殴る格闘動作です。ダメージは「突き+2」(叩き)、長さは1・格闘です
【斬撃】:〈銃剣術〉(1CP)
- 修得:並
- 技能なし値:〈銃剣術〉-2
- 上限:〈銃剣術〉
敵を切りつける格闘動作です。ダメージは「振り+2」(切り)、長さは1・2です。
【前進打撃】:【打撃】-2(1CP)
- 修得:難
- 技能なし値:【打撃】-3
- 上限:【打撃】
すばやく間合いを詰めて打撃を加えます。 目標は近接戦闘で可能な能動防御しか行えません。 動作が完了した後は、敵と近接戦闘の間合いになります。
一歩後退してこの攻撃を能動防御する場合、近接戦闘にはならず通常の能動防御が可能ですが、 後退によるボーナスは+1しか得られません。
【回避斬撃】:【斬撃】-3(1CP)
- 修得:難
- 技能なし値:【斬撃】-4
- 上限:【斬撃】
相手の攻撃を受けることに成功したら、即座に斬撃で攻撃できます。 マーシャルアーツ完訳版・P45の【突き返し】と同様に扱ってください。
●弱点
次の2つのうちどちらか一つを選んでください。
「特攻精神」(-30CP)
この特徴は「命知らず」(ベーシック完訳版・P45)と「バーサーク」(同・P54)の2つを兼ね備えたものとして扱ってください。
「愛国精神」(-30CP)
かつては特定の国家を守るために戦っていましたが、 現在ではディーヴァに滅ぼされようとしているもの全てを守るために行動しています。 明確にそうしなければならない理由が無い限り、知的生物に暴力を振るうことはできません。 また、戦う能力を持たない者が危険な目にあった時は、まずそれを助けることを優先しなくてはなりません。 人命を軽視する者に対して嫌悪感を抱いており、そういった人物と一時的にでも協力し合うことはできません。
「平和愛好/専守防衛」(ベーシック完訳版・P55)、「義務感/非戦闘員」(同・P59)、「狭量/残酷な人物」(同・P49)を あわせたものとみなします。
●愛用品/イン・ザ・マーク
強化ライフルとそれに装着するスライド・バヨネットを収納し、1CGを余分に消費しています。
強化ライフルは非常に堅牢にできていて、武器として使用してもめったに故障しません (ファンブルや、重い武器を受けたときの武器破壊の効果は除く)。 その代わり射撃能力は同時代の銃に比べて大きく劣っています。 ダメージ3D(叩き)、抜き撃ち15、正確さ5、半致傷600、射程1800、弾数6、必要体力11、反動値-2、連射速度1、重量3.5kgです。
スライド・バヨネットは、銃に装着したままでもスライドして刃先を収納できるバヨネットです。 これ単体で、大型ナイフ(突き、刺し、0.5kg)として使用できます。 通常、収納や準備には1ターンかかりますが、〈準備/銃剣〉判定に成功すれば一瞬で完了します。
強化ライフルにスライド・バヨネットを装着することで、銃剣として使用できます。通常は装着された状態で出現します。 装着状態でのダメージは「突き+3」(刺し)、長さ1・2です。
●装備
○A.B.F.(アンチ・バレット・フィールド)/ 3CG
銃弾に対する防御フィールド。
○イメージ・インデューサー/ 1CG
平凡な外見だと錯覚させる心理投影機。
○ミディアム・ドラゴン・スーツ/ 2CG
このキャラクターは、第二次大戦期の野戦服に似たいでたちです。 それが野暮ったいと思うプレイヤーは、現代風の迷彩アーマーを着ていることにしてもかまいません。 受動防御2、防護点3で、重量は「体力-5」kgです。
○マナ・クリエイター1st/ 2CG
マナ密度を「並」にまで引き上げるアイテム。 部隊章や階級章の形をしており、ドラゴンスーツに装着されています。
○残りクロノジェム:1
●成長
「雷(イカヅチ)の響き」(5CP)
「鉄の守り」に5CPを追加することで、この能力は「雷の響き」にレベルアップします。 この場合、敵の射撃が単に外れるだけでなく、速度を保ったまま攻撃者に跳ね返ります。 《矢よけ》が《矢返し》になるとみなしてください。
「疲労減少」(14CP/42CP)
14CPを追加すると、「鉄の守り」または「雷の響き」の発動・維持に必要なエネルギーが2点減少します。 さらに28CP(合計42CP)消費すると、必要なエネルギーが3点減少します。
「制限解除」
「鉄の守り」または「雷の響き」を、他人にもかけられるようになります。 目標に接触しているなら判定は不要ですが、距離がある場合は技能レベル15とみなしてください。
必要CPは、下記の通りになります。
- 「鉄の守り」:通常(10CP)/疲労減少・1L(16CP)/疲労減少・2L(26CP)
- 「雷の響き」:通常(13CP)/疲労減少・1L(19CP)/疲労減少・2L(31CP)
【刺突射撃】
- 修得:難
- 技能なし値:〈銃剣術〉-4
- 上限:〈銃剣術〉-1
- 前提:〈銃器/ライフル〉15
相手を銃剣で刺し、同時に発砲します。銃口が密着するわけではないので、A.B.F.等は有効です。
引き金を引く動作を行うために、銃の握り方が不安定になってしまうので、刺しのダメージには-2されます。
この動作を行う前のターンに射撃(または射撃を含む格闘動作)を行っていた場合、命中判定には反動値によるマイナス修正が加わります。
【密着射撃】
- 修得:難
- 技能なし値:【刺突射撃】-6
- 上限:【刺突射撃】-3
この動作を使用するときは、あらかじめバヨネットを収納しておく必要があります。
銃口を相手に密着させ、同時に射撃を行います。これは手持ち武器による攻撃の一種とみなし、銃弾のダメージを与えます。 本来は《矢よけ》や《矢返し》を無効化するために編み出された動作ですが、 竜の傭兵になってからはA.B.F.を無効化するために使用されています。
この動作の命中判定の失敗度が1または2だった場合、銃口が密着しない状態で射撃してしまいます。 この場合、弾丸は当たりますがA.B.F.等は有効です。
【刺突射撃】と同様に、前のターンに射撃を行っていた場合、命中判定には反動値によるマイナス修正が加わります。
【刺突即密着射撃】
- 修得:難
- 技能なし値:【密着射撃】-4
- 上限:【密着射撃】
- 前提:〈準備/銃剣〉15
銃剣術の奥技で、刺突の直後にスライド・バヨネットを収納して密着射撃を行う動作です。 【刺突射撃】と同様に、前のターンに射撃を行っていた場合、命中判定には反動値によるマイナス修正が加わります。
●追加装備
霊能力ドラッグ
このバージョンの出身世界を狂わすことになった、禁断のクスリです。 この装備を入手する場合、1CGで3回分となります。
服用したら、生命力判定を行います。判定に成功すると、効果は発揮されません。 失敗したら、失敗度×1時間の間、10CP分だけ生得の魔法が強化されます。複数服用した場合は効果が累積します。
ドラッグの効果が切れたら、恐怖判定を行います。 この判定には、過去24時間以内に服用したドラッグの数だけマイナス修正がつきます。
服用の際の生命力判定にファンブルしたり、効果時間中に何らかの意思判定にファンブルしたら、 即座にドラッグの効果が切れ、副作用が現れます。