ドンケル・ジンゲル（闇の歌声）
「星屑ほどの光さえない深い闇の中。耳を澄ませば聞こえてくる。それは友の歌声。明日の夢を語る声。
私もまた、答えて歌う。闇の彼方の友たちに聞こえるように。
……今は何も聞こえない。自分の声だけがこだまする。それでも私は歌いつづける。虚空の向こうから、いつか友が答える日を夢見て」
●背景
ここにもまた、猿以外から進化した人間の世界がありました。 闇の歌声たちの祖先となったのは、蝙蝠に似た有翼哺乳類です。
日の光の届かない地下洞窟の闇の中で進化した彼ら蝙蝠人たちは、視覚の代わりに聴覚を発達させました。 人間の耳には聞き取れない超音波を発声し、それが物に跳ね返って聞こえてくる音を聞き分けることで、 光のまったく差さない真の闇の中でも支障なく暮らすことができます。 また脇の下の皮膜翼をはばたかせて、洞窟のあいだの虚空を飛ぶこともできます。 彼らは、地下に大空洞を作り上げ、その壁や天井近くに町や村を作って生活していました。
闇の歌声は、蝙蝠人たちのなかの吟遊詩人でした。 各地の街や村を巡りながら物語を作り、人々に語り聞かせ、美しい歌を歌いました。 時には、歌の素材を求めて危険極まりない冒険に赴くこともありました。 人々は闇の歌声の歌う歌に魅了され、夢や希望を与えられました。
ディーヴァはもちろんこのような世界の存在を認めませんでした。 各地の火山脈が一斉に活動をはじめ、噴火や大地震が起こりました。 蝙蝠人たちの暮らす洞窟の中に、高熱の溶岩流が流れ込み、街を押し流しました。 しかも、ディーヴァが設置した妨害音波発生器のため、逃げ惑う人々は方向感覚を失いました。 壁に激突して命を落としたり、誤って逃げ場の無い洞窟に迷い込んで溶岩流に飲まれたものもいました。
闇の歌声は、人々を先導し、勇気づけながら避難を促しました。 しかし、最後には洞窟の崩落に巻き込まれ命を落としてしまいました。
彼の最後の歌を聞き届けたドラコニスは、その魂を救い上げました。
〈竜の傭兵〉となった闇の歌声は、幾多の世界の人々に希望を与えるため、 そして、いつの日かあの真闇の中の平和な世界を取り戻すために、ディーヴァに戦いを挑みます。
●能力値修正
なし
●追加特徴
「翼での飛行」（24CP）
翼で羽ばたいて［飛行］します。翼が傷つくと飛べなくなります。 翼を狙っての攻撃は、命中判定に-2されます。 生命力の三分の二を越えるダメージを片方の翼に受けると使えなくなります。
腕と翼が一体化しているので、飛行中は腕を使った作業は不可能です。
| 本来名称 | 出展 | 増強／限定 |
|---|---|---|
| （同名） | 百鬼夜翔・P75 | 腕と一体化-20%（-20%） |
「超音波会話」（5CP）
百鬼夜翔・P72にある同名の妖力を参照してください。
「超音波聴覚」（5CP）
人間の耳には聞き取れない超音波を聞き取ることができます。
| 本来名称 | 出展 | 増強／限定 |
|---|---|---|
| （同名） | 百鬼夜翔・P70 | 超音波のみ-50%（-50%） |
「指向性聴覚」1L（4CP）
百鬼夜翔・P70にある同名の妖力を参照してください。
「ソナー」（15CP）
百鬼夜翔・P70にある同名の妖力を参照してください。
●追加技能
| 技能名 | レベル | 消費CP | 掲載元 |
|---|---|---|---|
| 〈飛行〉 | 敏捷 | 1CP | ドラゴンマーク・P30 |
| 〈忍び〉 | 敏捷 | 2CP | ベーシック完訳版・P94 |
| 〈追跡〉 | 知力-1 | 1CP | ベーシック完訳版・P98 |
| 〈探索〉 | 知力 | 1CP | ベーシック完訳版・P95 |
| 〈歌唱〉 | 生命 | 1CP | ベーシック完訳版・P77 |
| 〈吟遊詩人〉 | 知力-1 | 1CP | ベーシック完訳版・P77 |
●格闘動作
なし
●超音波発声
ルールとしては、スーパーパワーに準じます。
［超音波発声］（19CP) ―― パワーレベル：2（11CP）／精度レベル：敏捷（8CP）
通常は同朋との会話と、アクティブソナーによる位置確認に用いている超音波発声を収束させ、 高振動で目標を破砕します。使用すると2点疲労します。
1ターン集中し、次のターンの始めに命中判定を行ってください。 命中すれば、2D6のダメージを与えます。
抜き撃ち値12、正確さ1、半致傷10メートル、最大射程20メートル。部位を狙うことはできません。
| 本来名称 | 出展 | 増強／限定 |
|---|---|---|
| （直接攻撃系妖術） | 百鬼夜翔・P101 | エネルギー＝音波、疲労消費・2L-10%（-10%） |
●弱点
「直射日光の下では行動に-4」（-20CP）
暗い洞窟の中で暮らしてきた闇の歌声は、強い光を苦手としています。
| 本来名称 | 出展 |
|---|---|
| 行動不能 | 百鬼夜翔・P142 |
「不器用」3L（-9CP）
百鬼夜翔・P52にある同名の特徴を参照してください。
●愛用品／イン・ザ・マーク
なし。
●装備
○A.B.F.（アンチ・バレット・フィールド）/ 3CG
銃弾に対する防御フィールド。
○イメージ・インデューサー/ 1CG
平凡な外見だと錯覚させる心理投影機。
○ライト・ドラゴン・スーツ/ 1CG
精神エネルギーで強化された防護服です。 このキャラクターの場合、脇の下の皮膜が邪魔にならないように工夫された上着に、ぴったりしたパンツの組み合わせです。 受動防御2、防護点2。重量は1.5kgとみなします。
○残りクロノジェム：5
●成長
4CPを費やすことで、「指向性聴覚」のレベルを上げることができます。 1レベル追加するごとに、聞き取れる距離が2倍になります。
また、［超音波発声］を強化することもできます。6CPを消費すると、ダメージが3Dになります。 部位狙いができるようになりますが、その場合命中修正は2倍となり、ダメージは1Dのみです。
ダメージを強化したあと、さらに9CPを追加することで、［超音波発声］の収束率を高めて「切り」ダメージに増強することが可能です。
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