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" 竜の夢 "

作者:みはいる尾作

マーメイド・プリンセス(お転婆人魚姫)

「あのねぇ。私、お姫様なのよ?
 ホントなら海の底の宮殿で臣下にかしずかれて優雅に暮らしてられるのに、 なんだってこんな苦労しなきゃなんないのよ。
 ディーヴァなんてぜ〜ったいに許さないわ!
 ……そうよ。父様、母様……王国のみんな……みんなを滅ぼしたディーヴァ……絶対に……許さない、から」

●背景

 その〈異歴史〉には2種類の文明がありました。ひとつは我々と同じ人間の文明。 もう一つは、遥か海底に広がる人魚たちの王国。 ふたつの文明は互いに交わることなく、それぞれが長い歴史を刻んできました。 しかし、長い時が過ぎゆくうちに、陸の文明は海の中に、海の文明は遥かなる大地の上に興味を持ち始めました。 それぞれが技術を進め、未知の世界を探検する道具をまさに生み出さんとしているところでした。

 ディーヴァは二つの文明が接触する寸前で、世界の矯正に乗り出しました。 人に知られざる人魚文明だけを、その痕跡すら残らぬまでに破壊しつくすことで。 陸の人間が潜水艇を作って深い海の底に挑んだとき、 そこにあったのはただ静かにマリンスノーの降り積もる深海の海底だけでした。

 ディーヴァの未来兵器軍が人魚の王国を滅ぼしたとき、ただ一人、難を逃れていた人魚族がいました。 彼女は幾つかあった人魚の王国のひとつの姫君だったのですが、持ち前の好奇心から、 王家に伝わる秘法をこっそりと持ち出して誰にも黙って陸の上を訪れていたのです。

 遊びに飽きた彼女が海に戻ったとき、帰るべき王城は跡形もなく崩れさっていました。 いくら呼びかけても答える者もなく、ただあまりの驚きと悲しみに打ちひしがれた人魚姫。 その彼女の胸を、残って監視を続けていたディーヴァの放った凶弾が貫き、真紅の水煙が舞いました……

 海の泡と化す人魚姫の魂を、ドラコニスが拾い上げました。 〈竜の傭兵〉になった彼女は、海の底に消えた王国と、 そこに暮らしていた人々に思いをはせながらディーヴァに戦いを挑みます。

●能力値修正

なし

●追加特徴

「水棲生物基本セット」(13CP)

 魚のような下半身となり、水中を自在に泳ぎまわれるようになります。 水中での行動にはペナルティがなく、この特徴を持つもの同士であれば、水中でも普通に会話が行えます。 そのかわり、毎日全身水に浸からないと、生命点が減っていきます。

本来名称 出展 増強/限定
えら 百鬼夜翔・P64 (なし)
水中行動 百鬼夜翔・P74 (なし)
水中会話 百鬼夜翔・P72 (なし)
依存/水 百鬼夜翔・P141 1日に1回、最低30分は全身を水に浸けないとダメージを受ける。

「水中会話」(4CP)

 水棲生物基本セットを持たない相手にも、声を聞かせることができるようになります。 基本セットの[水中会話]に「相手はなくてよい」の特別増強を行ったものとみなします。

「耐圧」(10CP)

 人魚族は深い海底に住んでいます。水深1000メートルまでの水圧(100気圧)に耐えることができます。 百鬼夜翔・P80にある同名の妖力を参照してください。

「地位」L6(6CP)

 マーメイド・プリンセスは人魚の王国の姫君でした。 ドラゴンマーク・P122にある同名の特徴を参照してください。

●追加技能

技能名 レベル 消費CP 掲載元
〈演説〉 知力 2CP ベーシック完訳版・P79(P77)
〈忍び〉 敏捷 2CP ベーシック完訳版・P94
〈言いくるめ〉 知力-1 1CP ベーシック完訳版・P79

●格闘動作

なし

●人魚の宝鱗

[息吹の鱗](7CP)

 マーメイド・プリンセスの腰からお尻にかけて、銀蒼色の鱗が生えています。 この鱗には魔法的な効果があり、これを咥えていると陸上生物でも水中で呼吸ができるようになります。

 2ターン集中すると、次のターンの最初に鱗が剥がせます(判定は不要です)。 これを口に含むと、咥えている間ずっと、水中でも陸上と同じように呼吸をすることができます。 使用者が口を開いたり、意識を失ったりすると、鱗は即座にその効力を失います。 咥えなおしても効果はありません。 鱗は採取後10分で風壊してしまいます。

 鱗を剥がすときに、1点のダメージを受け、2点疲労します。 使用回数制限はありません。

本来名称 出展 増強/限定
《水中呼吸》《発電》(2点)を生来の魔法で修得 マジック完訳版・P56/84 HP消費・1L-5%、摂取のみ-30%、余分に時間がかかる・1L-10%、 人魚時のみ-30%(-75%)

[生命の鱗](14CP) ―― パワーレベル:5(6CP)/精度レベル:知力(8CP)

 マーメイド・プリンセスのお腹にある4枚の金色の鱗は、強力な回復剤であり万病に効く薬になります。 ただし自分自身を癒すことはできません。

 8ターン集中し、次のターンの最初に判定を行ってください。成功すれば鱗を剥がすことができます。 この鱗を摂取すると、生命力が10点回復するだけでなく、風邪などのちょっとした病気も治癒します。 マーメイド・プリンセスはまだ歳若く未熟なため、毒や呪い、重い病気などには効果がありません。 鱗は採取後10秒で風壊してしまいます。

 鱗を剥がすときに、1点のダメージを受けます。 判定にファンブルすると大出血し、3Dのダメージを被ってしまいます!  鱗を剥がした後1分間は、判定の成否に関らず、 激痛による衝撃で知力と敏捷力及びそれらを使った技能判定に-2のペナルティが与えられます。 またこの間は、意志判定に成功しないかぎり「集中」することができません。

[生命の鱗]は4枚しかないため、これが使用回数の上限になります (判定に失敗して破損した場合も使用回数を消費してしまいます)。 鱗は1日が経過すると再生します。

本来名称 出展 増強/限定
治癒 百鬼夜翔・P109 病気治癒にも有効+10%、疲労減少・5L+100%、 HP消費・1L-5%、摂取のみ-30%、 余分に時間がかかる・3L-30%、人魚時のみ-30%、 使用回数制限:1日4回-20%、不都合:使用時に激痛を伴う-20%、 自分には効果が無い-40%(-65%)

●秘宝

 ルールとしては「妖具」(百鬼夜翔・P269)として扱います。 必要CPを払った上で、クロノジェムをそれぞれ1つ消費して〈登録〉します。

[水龍の宝杖](13CP) ―― パワーレベル:2(9CP)/精度レベル:敏捷(8CP)/妖具限定(-25%)

 人魚族の姫君が代々受け継いできた護身用の秘宝です。 長さ50センチほどで、先端に青い宝玉のあるワンド(短杖)のような形をしています。 コマンドワードを唱えてこれを振ると、宝玉から激しい水流が放たれて、目標を攻撃します。

 1ターン集中し、次のターンの最初に命中判定を行ってください。 目標は「よけ」「止め」を行うことができ、失敗すると2Dの「叩き」ダメージを受けます。 一度使用すると、以後5秒間休ませるまで使えなくなります。

 この杖は、防護点3、生命力20として扱い、狙うには-4のペナルティがかかります。 一度〈異歴史〉から戻れば、受けたダメージは回復します。

 抜き撃ち値12、正確さ1、半致傷10メートル、最大射程20メートル。部位を狙うことはできません。

本来名称 出展 増強/限定
(直接攻撃系妖術) 百鬼夜翔・P101 実体=水、必要行動:宝杖を振る動作とコマンドワード-20%、 充電が必要:5秒-10%(-30%)
(妖具) 百鬼夜翔・P269 破壊可能-10%、攻撃目標-15%(-25%)
※手持ち武器なので奪われることがありますが、〈愛用品〉として〈登録〉されており、 〈竜形の紋様〉に収納して再出現させるだけで簡単に取り戻せるので、「奪取可能」による限定はありません。 またダメージも一度次元間空間に出て再構成すれば完全修復されるため、「破壊可能」による減少率は減っています。

[変身の鎖](6CP)

 マーメイド・プリンセスがこっそり持ち出した、王家に伝わるもうひとつの秘宝です。 幾つかの宝珠による装飾がある細い銀の鎖で、帯のように腰に巻いて使用します。 これを使うと人魚族の外見が人間のように変わり、脚が生じて陸の上を歩けるようになります。

 身につけて意識を集中すると、人間に変身します(判定は不要です)。 変身には4秒かかりますが、人間から人魚に戻るには一瞬ですみます。 また、鎖が水に濡れると自動的に変身が解け、強制的に人魚の姿に戻ってしまいます。 奪われたり、壊されたりして鎖が腰から解けた場合も同様です。

 人の姿になっても、あまりうまくは歩けません。陸上での移動力は-2されます(「よけ」は修正を受けません)。 急に走り出したり、複雑なステップを踏んだり、線の上を踏み外さずに歩いたりする場合には、 「敏捷力-4」ないし〈歩行〉技能(後述)の判定が必要です。失敗すると転倒してしまいます。 ファンブルすると足を挫き、左右いずれかの足に1D-3(防護点無視)の「叩き」ダメージを受けてしまいます。

 この鎖は、防護点2、生命力8として扱い、狙うには-4のペナルティがかかります。 一度〈異歴史〉から戻れば、受けたダメージは回復します。

本来名称 出展 増強/限定
人間変身 百鬼夜翔・P61 変身に時間がかかる・2L-20%、解除は瞬間+10%(-10%)
移動減衰・2L 百鬼夜翔・P144 人間変身時のみ-50%(-50%)
(妖具) 百鬼夜翔・P269 水に濡れると一時的に機能停止-10%、破壊可能-10%、 攻撃目標-15%、奪取可能-5%(-40%)
※こちらも〈愛用品〉であり奪われても取り戻せますが、奪われた時点で人魚姿に戻ってしまい、 再変身には時間がかかるため不便であることから、その分だけの限定として扱っています。 またダメージも一度次元間空間に出て再構成すれば完全修復されるため、「破壊可能」による減少率は減っています。

●弱点

「陸上では移動不可能」(-13CP)

 陸上ではまともに移動できません。

本来名称 出展 増強/限定
移動できない 百鬼夜翔・P144 変身すれば動ける、陸上のみ(水中では平気)-10%(-10%)

「お祭り好き」(-5CP)

 ベーシック完訳版・P45にある同名の特徴を参照してください。

「好奇心」L1(-5CP)

 ベーシック完訳版・P49にある同名の特徴を参照してください。

「気まぐれ」(-5CP)

 百鬼夜翔・P50にある同名の特徴を参照してください。

●愛用品/イン・ザ・マーク

 人魚族王家に代々伝わる秘宝『水龍の宝杖』と『変身の鎖』の2つを〈登録〉し、余分に1CGを消費しています。

●装備

○A.B.F.(アンチ・バレット・フィールド)/ 3CG

 銃弾に対する防御フィールド。

○イメージ・インデューサー/ 1CG

 平凡な外見だと錯覚させる心理投影機。

○ライト・ドラゴン・スーツ/ 1CG

 精神エネルギーで強化された防護服です。このキャラクターの場合、古代ギリシャ風の長衣になります。 スカート部分は別パーツになっていて、泳ぐときには邪魔にならないよう〈竜形の紋様〉に収納します。 受動防御2、防護点2。重量は1kgとみなします。

○残りクロノジェム:4

●成長

[生命の鱗]の強化(31/123CP)

 31CP消費すると、かなりの難病でも治せるようになります。 パワーレベル10として、百鬼夜翔・P109を参照してください。 HPの回復量や、使用する時の手間、制限はそのままです。

本来名称 出展 増強/限定
治癒 百鬼夜翔・P109 病気治癒にも有効+10%、疲労減少・10L+200%、 HP消費・1L-5%、摂取のみ-30%、 余分に時間がかかる・3L-30%、人魚時のみ-30%、 使用回数制限:1日4回-20%、不都合:使用時に激痛を伴う-20%、 自分には効果が無い-40%(+35%)
(6〜10レベルに対してのみ)
病気治癒にしか使えない-30%(+5%)

 さらに92CP(合計123CP)を消費すると、癌やエイズなどでさえも治せるようになります。 パワーレベル15として、百鬼夜翔・P109を参照してください。 HPの回復量や、使用する時の手間、制限はそのままです。

 ドラゴンマークルールでのスーパーパワーの制限レベル(L10)を越えてしまいますので、必ずGMの許可が必要です。

本来名称 出展 増強/限定
治癒 百鬼夜翔・P109 病気治癒にも有効+10%、疲労減少・15L+300%、 HP消費・1L-5%、摂取のみ-30%、 余分に時間がかかる・3L-30%、人魚時のみ-30%、 使用回数制限:1日4回-20%、不都合:使用時に激痛を伴う-20%、 自分には効果が無い-40%(+135%)
(6〜10レベルに対してのみ)
病気治癒にしか使えない-30%(+105%)
(10〜15レベルに対してのみ)
病気治癒にしか使えない-30%(+105%)
※上限オーバによるコスト倍増(LC6として計算)

〈歩行〉 (肉体/並) 技能なし値:敏捷力-4

 元が水棲であり脚をもたない人魚族は、「歩く」という行動に慣れていないため、 複雑なステップを踏むときなど転倒せずに済むかどうか〈歩行〉技能の判定を必要とします。 歩く練習をして技能レベルを向上させることで、より安定して歩けるようになります。

●イメージソース