ローズ・ブランシェ(白薔薇の剣士)
「男か女か、など関係のないことだ。
わが家の名にかけて。この身を流れる高貴なる血にかけて。そして私自身の名誉にかけて。
忌まわしきディーヴァどもを討ち果たしてみせる。いざ、勝負だ!」
●背景
ローズ・ブランシェは、過去のフランスによく似た世界からやってきました。
この〈異歴史〉では、貴族たちが民意を重んじた善政を行い、民衆が不満を持たなかったため、 フランス革命が起こらないまま王制が続いていました。 貴族たちは「高貴なる勤め」(ノーブレス・オブリージ)を果たし、民衆は貴族を称えました。 華やかな宮廷文化の一部が民衆の中に浸透するような世界だったのです。
そんな社会の、ある貴族の家にひとりの女の子が生まれました。 残念なことに、この家には世継ぎとなるべき男子がおりませんでした。 女の子の父親は、貴族としての務めを果たさせるため、娘を世継ぎとなれる「男子」として公表し、 男として育て上げることにしました。 彼(彼女、というべきでしょうか)は、剣技と礼法、乗馬と外交のすべてを修め、 いささか生真面目に過ぎるところはありますが理想的な「貴族」として成長し、 その家紋からローズ・ブランシェ(白薔薇の剣士)と呼ばれるようになりました。
次元を隔てた同じ存在であるベース・キャラクターも、どこか男性的な印象のある優美な女性になることが多いようです。
ディーヴァはこの〈異歴史〉のフランス革命の際に「修正」を行おうとしましたが、 これに失敗(あるいは〈竜の傭兵〉の介入があったのかもしれません)し、 世界が大きくずれていくことを見逃してしまいました。 そこで、ディーヴァのファイルの上で、この世界は「修正」から「破棄」に目的が切り替えられました。
ディーヴァは、先の時代で隣国に生まれるはずの狂信的指導者をより早い時代のこの世界に誕生させました。 彼はその超常的カリスマを発揮して隣国を支配し、フランス「王国」に攻め込んできたのです。
狡猾なディーヴァと隣国の指導者は、フランス民衆の間にデマを流して人心を操作し、 貴族階級と民衆の間に亀裂を生じさせていました。 各地で内乱が起こり、隣国との戦争どころではなくなっていきます。 ローズ・ブランシェとその仲間たちは、国と民衆を守るため、ある時は先頭に立ってレイピアを振るい、 ある時は民衆と貴族の橋渡しとなるべく奔走しました。
しかし、隣国の指導者に操られた民衆と、国を守る貴族の間の隔絶は止まらず、ついに歪んだ「革命」が起こりました。 多くの民衆の血が流れ、革命政権に捕らえられた貴族は断頭台の露に消えました。 ローズ・ブランシェもまた、愛すべき民衆には手が出せず投降し、多くの人々が見守る中、断頭台に上ります。 最後の瞬間、監視に来ていた隣国の指導者と、それに付き従う黒衣の女を永遠に呪いながら。
高潔な剣士の魂はドラコニスによって回収されました。 紳士の誇りと淑女の気高い美しさを併せ持つローズ・ブランシェは、 〈竜の傭兵〉としてディーヴァにレイピアの切っ先を突きつけます。
●能力値修正
なし
●追加特徴
「容貌:美人/中性的容貌」(15CP)
人目を引く美人なのですが、一見したところ男性とも女性とも取れる中性的な容貌をしています。 このため、男性に対する反応修正と女性に対する反応修正が平均化され、どちらに対しても+3の修正になります。
ベースが既に「魅力的」以上の容貌を持っている場合、差分のCPは「カリスマ」を取得するか、 〈フェンシング〉技能と格闘動作の向上に使用することができます。
本来名称 | 出展 |
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Bishonen Look(±0%の増強) | GURPS MECHA・P33 |
「美声」(10CP)
ベーシック完訳版・P32にある同名の特徴を参照してください。
「戦闘即応」(15CP)
ベーシック完訳版・P31にある同名の特徴を参照してください。
「高潔」(5CP)
百鬼夜翔・P47にある同名の特徴を参照してください。
「地位」L5(5CP)
ドラゴンマーク・P122にある同名の特徴を参照してください。
●追加技能
技能名 | レベル | 消費CP | 掲載元 |
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〈フェンシング〉 | 敏捷+2 | 8CP | ベーシック完訳版・P88 |
〈乗馬/馬〉 | 敏捷 | 2CP | ベーシック完訳版・P96 |
〈跳躍〉 | 敏捷 | 1CP | ベーシック完訳版・P70 |
〈吟遊詩人〉 | 知力-1 | 1CP | ベーシック完訳版・P77 |
〈外交〉 | 知力-2 | 1CP | ベーシック完訳版・P79 |
●格闘動作
【黒い稲妻(エクレール・ド・ノワール)】:〈フェンシング〉-1(4CP)
- 修得:難
- 技能なし値:〈フェンシング〉-4
- 上限:〈フェンシング〉
2回から4回の突きを連続して放ちます。ただし、一度でも命中すればそれ以上は攻撃することができません。
突きの回数が1回増えるごとに、命中判定から-2、ダメージから-1します。 2回突きなら【黒い稲妻】-2で判定、ダメージは「刺し/突き-1」です。 3回なら判定に-4、ダメージは突き-2になります。
この格闘動作は、『ガープス・ルナル完全版』の多段突き(P249)を参考にしています。
【緑の風(ヴァン・ド・ベール)】:〈フェンシング〉+2(2CP)
- 修得:難
- 技能なし値:〈フェンシング〉
- 上限:〈フェンシング〉+5
武器を狙って払い落とす技です。 武器を弾き飛ばす攻撃(『ベーシック完訳版』P149)を行うとき、 〈フェンシング〉技能の代わりにこの格闘動作のレベルで判定することができます。
本来名称 | 出展 |
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Disarming | GURPS SWASHBUCKLER・P22 |
【紅き星(エトワール・ド・ラ・ルージュ)】:〈フェンシング〉(1CP)
マーシャルアーツ完訳版・P47にある【ファーント】を参照してください。
●弱点
「紳士の名誉」(-10CP)
ベーシック完訳版・P56にある同名の特徴を参照してください。
「ユーモア感覚の欠如」(-10CP)
ベーシック完訳版・P57にある同名の特徴を参照してください。
●愛用品/イン・ザ・マーク
使い慣れたレイピアを収納しています。データはベーシック完訳版・P262を参照してください。
●装備
○A.B.F.(アンチ・バレット・フィールド)/ 3CG
銃弾に対する防御フィールド。
○イメージ・インデューサー/ 1CG
平凡な外見だと錯覚させる心理投影機。
○ライト・ドラゴン・スーツ/ 1CG
精神エネルギーで強化された防護服です。 このキャラクターの場合、19世紀フランス軍の軍服に似た服装になります。 受動防御2、防護点2。重量は1kgとみなします。
○残りクロノジェム:5
●成長
【銀の鏡(ミロワール・ド・アルジャン)】
- 修得:難
- 技能なし値:〈フェンシング〉-5
- 上限:〈フェンシング〉
敵が攻撃してくる隙を突いて、反撃に転じる技です。【突き返し】に似ていますが、幾つかの点で異なります。 まず、技能なし値が〈フェンシング〉-5で、より難しくなっています。 次に、「受け」以外の能動防御を行うことができます。 ただし、「よけ」と、攻撃に使う武器による「受け」には-1の修正があります。 副次武器での「受け」や、バックラーやマントなどを使った「止め」には修正はありません。 最後に、防御に失敗したときでも、こちらからの攻撃を行うことができます! 【銀の鏡】と敵の武器技能で即決勝負をしてください。勝った方の攻撃が先に命中します。
本来名称 | 出展 |
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Conterattack | GURPS SWASHBUCKLER・P21 |
【青き月(リュヌ・ド・ラ・ブルー)】
- 修得:難
- 技能なし値:〈フェンシング〉-7
- 上限:〈フェンシング〉
【青き月】を放つことによって、走り幅とび、または立ち幅跳びで移動できる範囲にいる相手を攻撃することができます。 全力で移動した後、跳躍し、【青き月】を打ち込みます! 突きのダメージに+2することができ、相手の受けには-3の修正が加えられます。
【青き月】で飛び上がる時に、〈跳躍〉か、敏捷力-4の判定を行ってください。 成功すれば、【青き月】の命中判定を行うことができます。 失敗した場合、〈軽業〉-4か、敏捷力-8の判定に成功しない限り、転倒してしまい、 移動した距離2メートルごとに1d-3点のダメージを受けてしまいます。
この格闘動作を行ったターンの能動防御には、4点のペナルティが与えられます。
本来名称 | 出展 |
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Flying Lunge | GURPS SWASHBUCKLER・P26 |
●イメージソース
- 『ベルサイユのばら』 オスカル・フランソワ・ド・ジャルジェ
- マーガレット・コミックス( vol.1 / vol.2 / vol.3 / vol.4 / vol.5 / vol.6 / vol.7 / vol.8 / vol.9 / vol.10 )
- 中央公論社( vol.1 / vol.2 / 外伝 )
- DVD-BOX( vol.1 / vol.2 )
- 集英社ガールズリミックス( vol.1 / vol.2 / vol.3 / vol.4 )
- 中公文庫―コミック版( vol.1 / vol.2 / vol.3 / vol.4 / vol.5 / vol.6 / vol.7 / vol.8 / vol.9 / vol.10 / vol.11 / vol.12 / 外伝 )
- 中公コミック・スーリ アニメ版( vol.1 / vol.2 / vol.3 / vol.4 / vol.5 / vol.6 / vol.7 / vol.8 / vol.9 / vol.10 / vol.11 / vol.12 )
- 『リボンの騎士』 サファイア王女