スクラップ・オフィサー（解体役人）
「見かけはイイ女かもしれんが、ハラワタは機械野郎どもと大差ねェガラクタだ！
この俺様がネジ一本に至るまでバラバラにしてやるぜ！！」
●背景
人工知能の研究が、我々の世界より進んでいた世界がありました。 これによってコンパクトな電子頭脳が発明され、ロボットに応用されました。 その世界では、人間に混じって多くのロボットが日常的に働いていたのです。
しかし、あるときを境に、ロボットの中に不良分子が生まれるようになりました。 原因はわからなかったのですが、電子頭脳に異常を生じ、人間を襲ったり、 都市を破壊したりするロボットが後を絶たなかったのです。
事態を憂慮した政府は、不良ロボット対策として新しい役所を設立しました。 『産業電脳管理庁』はロボットたちを管理、監督しそのような不良ロボットを排除することを目的としました。
〈解体役人〉は、『産業電脳管理庁』の職員でした。 ですが、馬鹿正直なうえ不器用な性格をしていたため、あまり成績はよくありませんでした。 彼は次第に逆恨みを始め、自分の薄給も、女房子供が彼を置いて出て行ったことも、 すべてロボットのせいだと決めつけてしまいました。 ロボットを四六時中監視し、わずかでも反抗の様子が見えたら有無を言わさず分解するようにまでなったのです。
しかし、地道に戦いつづけた〈解体役人〉は、ついに事件の黒幕にたどり着きました。 狂ったロボットどもの背後には、生体組織を使って作られた謎の女型アンドロイドたちがいたのです。
〈解体役人〉のターゲットは、その女型アンドロイドに向けられます。 協力者を探し、支給されたスクラップ・ガンに手を加え、生体部品にも効果があるように改造してもらいました。
それを使って幾体かのアンドロイドを破壊しました。 しかし、彼の武器が通用しない相手……人間でありながらロボットどもに手を貸す裏切り者…… ディーヴァの〈邪悪の尖兵〉の手にかかり、〈解体役人〉自身がバラバラにされてしまいました。
反乱するロボットたちによって滅びゆく世界。 〈解体役人〉はそんな世界から、ドラコニスに雇われ傭兵になりました。 官公庁の薄給よりはずっとよい報酬が約束され、 憎むべき生体ロボットをバラバラにできるドラゴンマークは、正に彼の天職かもしれません。
●能力値修正
なし
●追加特徴
なし
●追加技能
| 技能名 | レベル | 消費CP | 掲載元 |
|---|---|---|---|
| 〈スクラップ・ガン〉 | 敏捷+1 | 12CP | （下記ツール参照） |
| 〈機械工/ロボット〉 | 知力-1 | 1CP | ベーシック完訳版・P76 |
| 〈忍び〉 | 敏捷-2 | 0.5CP | ベーシック完訳版・P94 |
| 〈尾行〉 | 知力-2 | 0.5CP | ベーシック完訳版・P95 |
| 〈変装〉 | 知力-2 | 0.5CP | ベーシック完訳版・P96 |
| 〈心理学/人工知能〉 | 知力+2 | 0.5CP | ベーシック完訳版・P73 |
●格闘動作
なし
●ツール
〈解体役人〉には、不良ロボット対策として以下の2種類のツールが支給されています。
ルールとしては「妖具」（百鬼夜翔・P269）として扱います。 必要CPを払った上で、クロノジェムをそれぞれ1つ消費して〈登録〉します。
［ロボットセンサー］（41CP) ―― パワーレベル：5（25CP）／精度レベル：知力+2（16CP）
スイッチを入れておくと、ロボットや人工知能のコンピュータが、 〈解体役人〉を中心にした直径5メートルの範囲に入ってきたときに、警告音を発して知らせてくれます。 残念ながら生体部品で作られた〈執行者〉には反応しませんが、 〈服従体〉の逆ピラミッドやDドールは検知します。
知力が12以上ないと、このツールを使うことはできません。
| 本来名称 | 出展 | 増強／限定 |
|---|---|---|
| 妖力探知 | 百鬼夜翔・P121 | 常動+100%、［機械の身体］のみ-75%（+25%） |
［スクラップ・ガン］（24CP) ―― パワーレベル：3（24CP）／精度レベル：なし（0CP）
不良ロボットをバラバラに解体する光線を発射する小銃です。
1ターン集中し、次のターンの最初に〈スクラップ・ガン〉技能で命中判定を行ってください。 目標は「よけ」「止め」を試みることができ、失敗するとバラバラに分解され、使い物にならなくなります。 HPを持ったロボットであれば、命中したときに3D点のダメージを受けます。 このダメージは防護点を無視しますが、目標は「生命力±意志の強さ/弱さ」で抵抗判定ができ、成功すればダメージは半分（端数切り上げ）になります。
この光線は、Dドールなどの他、生体部品で作られた〈執行者〉にも効果を及ぼします。 普通の人間や生物、〈邪悪の尖兵〉には何の効果もありません。 サイボーグや〈服従体〉に対しては、機械でできた部位（〈服従体〉なら脳）を狙えば効果があります。
抜き撃ち値14、正確さ5、半致傷15メートル、最大射程30メートル。 部位を狙う際は修正が二倍、ダメージは1D6だけとなります。
妖具として「精度レベル」が与えられていないので、この武器を使うためには別途〈スクラップ・ガン〉技能を修得する必要があります。
| 本来名称 | 出展 | 増強／限定 |
|---|---|---|
| 分解 | 百鬼夜翔・P130 | 生体部品にも効果がある+20%、能動防御される-30%、 銃口を標的に向けなくてはならない-10%（-20%） |
| 武器の手（長射程）/分離型3レベル | 百鬼夜翔・P87 | 小銃 |
●弱点
「狭量/ロボット・人工知能」（-5CP）
自分の生活が苦しいのも、女房に逃げられたのも、みなロボットが悪いと主張しています。 ベーシック完訳版・P49にある同名の特徴を参照してください。
「けちんぼ」（-10CP）
〈解体役人〉は薄給でした。 貧乏暮らしが染み付いているため、度を越した倹約家で行動が非常にセコく、金にうるさい性格をしています。 ベーシック完訳版・P49にある同名の特徴を参照してください。
「嫉妬」（-10CP）
運のいい奴や、金を持っている奴を見ると妬ましくてたまらなくなります。 ベーシック完訳版・P51にある同名の特徴を参照してください。
「ワカりやすい」（-5CP）
根が正直で不器用なので、隠し事ができるような人柄ではありません。 百鬼夜翔・P53にある同名の特徴を参照してください。
●愛用品／イン・ザ・マーク
支給品のツール『ロボットセンサー』と『スクラップ・ガン』の2つを〈登録〉し、余分に1CGを消費しています。
●装備
○A.B.F.（アンチ・バレット・フィールド）/ 3CG
銃弾に対する防御フィールド。
○イメージ・インデューサー/ 1CG
平凡な外見だと錯覚させる心理投影機。
○ライト・ドラゴン・スーツ/ 1CG
精神エネルギーで強化された防護服です。 このキャラクターの場合、着古した背広の上下に、これまたよれよれのトレンチコートと帽子といった服装になります。 受動防御2、防護点2。重量は1kgとみなします。
○残りクロノジェム：4
●成長
特殊能力や装備面での成長はありません。
昔は張り込みや追跡が日常であったので、経験点を支払って各種盗賊系技能を思い出すことができるでしょう。
●イメージソース
- TVドラマ 『ロボット８ちゃん』 黒木七郎（バラバラマン）
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