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" 竜の夢 "

作者:あさぎり 深風

ナックルガンナー(銃拳士)

「ヒトの心も体も捨て去った、あの化け物どもとの死闘の日々が、何故だろう、今は無性に懐かしい」

●背景

 ナックルガンナーが生きていた異歴史は、ある時代から突然発生した寄生生物との戦いに明け暮れていました。 クリーチャーと呼ばれる生物たちに殺され、「汚染」された人間がまた一定の割合で、 新たなるクリーチャーとなって増殖し社会を混乱に陥れていたのです。

 この魔物たちは人間を凌駕する肉体能力に加え、奇しくも竜の傭兵やディーヴァたちの使うA.B.F.に似た、 実弾攻撃を無効化する特殊な力場を発生する超能力をも備えていました。 魔物たちの個体数は少なく、彼らのみでは繁殖もできません。 極少数の「適性」を持った被害者が、クリーチャーに変化することによってのみ、その数を増やします。 しかし人間の持つ武装のほとんどが通用しない強力な殺戮者たちは、ただ一体でも存在する限り、 人々の生活を脅かすに十分な存在でした。

 この魔物たちに個人で立ち向かった、命知らずな狩人達の戦闘スタイルの一つが銃拳士です。 銃拳士は破壊力を高めた拳銃を飛び道具ではなく、格闘戦用の武器として標的に密着状態から攻撃し、 フィールドの減衰効果を受けることなく弾丸を打ち込みます。 成功すれば効果は高いものの、一撃で人間の肉体を破壊しうる魔物相手にこの戦法は極めて危険性も高く、 銃拳士の名は命知らずの魔物狩人の代名詞として畏怖されていました。

 刹那の攻防に命を賭し、その代価を持って身を立てる狩人たちの戦いは、ある日突然終局を迎えます。 かつて竜の傭兵との交戦の為に使われた妖生物がこの歴史に残留し、 その影響による歴史の変化が修正不可能な域へと至っていたことを知った歴史の修正者たちは、 クリーチャーの生体能力と繁殖力を高めるウィルスを投下したのです。 クリーチャー同士での交配が可能となり、瞬く間に地上を埋め尽くした魔物たちの前に、人類はなす術もありませんでした。

●能力値修正

なし

●追加特徴

「戦闘即応」(15CP)

 ベーシック完訳版・P31にある同名の特徴を参照してください。

「射撃の達人」(27CP)

 ドラゴンマーク・P42にある同名の特徴を参照してください。

 ただしナックルガンナーがその実力を発揮できるのは、接近状態での戦闘に限られます。 3メートル以上先の目標に対しては、通常通り1ターンかけて狙わなければ正確さのボーナスを得られません。 抜き撃ちの影響も受けてしまいます。こういった制限のため、必要CPが-40%されています。

 ナックルガンナーが得意とするのは、オートマチック・タイプのピストルです。

●追加技能

技能名 レベル 消費CP 掲載元
〈銃器/ピストル〉 敏捷+3 8CP ベーシック完訳版・P86
〈準備/銃器〉 敏捷+1 2CP ベーシック完訳版・P87
〈軽業〉 敏捷 4CP ベーシック完訳版・P69
〈機械工/銃器・TL6〉 知力-1 1CP ベーシック完訳版・P76
〈弾薬改造〉 知力-1 2CP ドラゴンマーク・P43
〈格闘〉 敏捷 1CP ベーシック完訳版・P84
〈忍び〉 敏捷-1 1CP ベーシック完訳版・P94
〈裏社会〉 知力-1 1CP ベーシック完訳版・P93

●格闘動作

【強化よけ】(15CP)

 マーシャルアーツ完訳版・P50にある同名の格闘動作を参照してください。

【ファントムトリガー】:〈準備/銃器〉-3(1CP)

 素早い早撃ちの動作で敵を眩惑する、フェイントを織り交ぜた射撃です。 ただし判定の成否に関らず、【ファントムトリガー】を試みたターンは、 〈銃器〉を含む全ての武器・格闘技能に-2、「よけ」に-1の修正を受けてしまいます。

 まず【ファントムトリガー】で判定を行います。 この動作は〈準備/銃器〉のアクションを内包しているため、非準備状態からでも試みることが可能です。 判定に失敗した場合、銃は事前の状態に関わらず非準備状態となり、攻撃の機会を失います。 ファンブルならば、銃を落としてしまいます!

 成功した場合、その成功度を用いて、敵の知力または武器技能(より高い方)と即決勝負を行います。 この勝負に勝てば、その差分だけ直後の射撃に対する能動防御にマイナス修正を与えます。 逆に負ければ、その分だけ能動防御にプラス修正を与えてしまいます。

 その後、〈銃器〉(あるいは〈銃器〉を基準とした格闘動作)で攻撃を行ってください。 この際にも、前述した-2のペナルティはかかります。

【ファントムトリガー】によるフェイント効果は、通常のフェイントやそれに類する効果とは重複しません。 一番効果の高かったものを使用してください。 またこの効果は、そのターンに行う一番最初の攻撃一回に対してのみ有効です。

【セカンドクラック】:〈銃器〉-3(1CP)

 第一射で敵の装甲に傷をつけ、同じ箇所へ二射目を重ねることで、頑強な装甲を打ち抜くコンビネーション攻撃です。 その性質上、この動作は2回分の攻撃でワンセットとなります(1ターンに2発打ち込めるわけではありません)。

 まず第一撃として、【セカンドクラック】を基準とした射撃攻撃を行います。 処理上は通常の射撃とまったく同じですが、この段階では装甲に傷をつけることが目的であるため、 目標に与えるダメージは装甲を抜けた分を半分にします。 命中しなかった(防御された場合を含みます)り、敵の防護点で完全に防がれてしまった場合、 この第一射にはまったく意味がありません。

 第一射が成功したら、以降のターン、いつでも【セカンドクラック】の第二射を試みることができます。 二射目は【セカンドクラック】-5で判定を行い、命中すれば防護点がないものとみなすことができます。 5差までの失敗(-5がなければ成功)のときは、命中はしますが防護点は通常通り適用されてしまいます。 なお第一射で部位を狙っていた場合、第二射も同じ部位を狙わなければなりません。

 二射目が成功したら、第一射の効果はそこで終了します。改めて第一射からやり直してください。 失敗や防御に成功された場合は、効果は継続します。 ただし敵が何らかの手段で防具(肉体依存の装甲であれば治療)を修理した場合、 第一射の効果まで消されてしまうかどうかはGMの判断によります。

【インファイトレンジ】:〈銃器〉-3(1CP)

 習得の基準値が違うことを除き、アサルト・ハンターの【密着射撃】と同じです。 【インファイトレンジ】による攻撃は、小型のハンドガン(リボルバーまたはピストルタイプの銃)でしか行えません。

 射程は「格闘・1」となり、目標は「よけ」「止め」に成功すれば効果を免れることができます。 「受け」で銃口をそらすこともできますが、判定には-2のペナルティを受けます。 「受け」が成功した場合、素手の攻撃を武器で「受け」られたものとして扱います(ベーシック完訳版・P131参照)。 「受け」の失敗度が1または2であれば、銃口の密着だけは避けたものとし、A.B.F.等の効果が適用されます。

【インファイトレンジ】で【セカンドクラック】の第一射または第二射を行うこともできます。 この場合、目標値はレベルの低い方を元に算出します。

【インファイトレンジ】で全力攻撃を試みる場合、目標値+4、もしくはフェイント即攻撃のいずれかしか選べません。

●弱点

「残忍」or「近視」(-10CP)

 いずれかを選んでください。前者はベーシック完訳版・P50、後者はP41を参照してください。

 近視を選択した場合、補正用の眼鏡は衣装の一部としてついてきます。 ただし「愛用品」としては登録されていませんので、壊したりなくしたりしたらそれきりです。

「強欲」or「命知らず」(-15CP)

 いずれかを選んでください。前者はベーシック完訳版・P50、後者はP45を参照してください。

「銃拳士の名誉重視」(-5CP)

 ベーシック完訳版・P56の「海賊の名誉」と同等に扱ってください。

●愛用品/イン・ザ・マーク

 牽制用の小型銃「パピィ」、大口径ハンドガン「ウルフ」、 そして銃の整備を行う工具キットを収納し、2CGを余分に消費しています。 銃拳士の世界では護身用の武器テクノロジーは発達したものの、遠距離狙撃の需要が薄かったため、 取り回しは比較的容易ですが射撃性能はあまりよくありません。 また速射性能を犠牲とし、対異生物用に破壊力を高めた調整になっています。

 パピィ:2D(叩)、抜撃ち10、正確3、半致傷80、射程500、弾数9、必要体力9、反動値-1、重量0.9kg
 ウルフ:3D+2(叩)、抜撃ち12、正確0、半致傷140、射程900、弾数4、必要体力12、反動値-3、重量2.2kg

 工具キットは〈機械工/銃器・TL6〉判定に+1の修正があり、また即席の弾薬の材料と少量の火薬も付随しています。 10分かけて〈機械工/銃器・TL6〉判定に成功すれば、即席の通常弾を一発分作成できます。 この即席弾丸を使うときは、〈銃器〉技能に-2、致傷力が-1されます。 落ち着いた場所で二倍の時間をかけるなら、欠陥のない普通の弾薬が作成できます。 弾薬を作る場合、パピィなら10発分、ウルフならその半分だけの材料が入っているものとします。 なお、このキットがなければ〈弾薬改造〉は行えません。

●装備

○A.B.F.(アンチ・バレット・フィールド)/ 3CG

 銃弾に対する防御フィールド。

○イメージ・インデューサー/ 1CG

 平凡な外見だと錯覚させる心理投影機。

○ライト・ドラゴン・スーツ/ 1CG

 このキャラクターの場合、要所に強化素材を仕込んだ黒皮製のレザージャケットになります。

○残りクロノジェム:3

●成長

「狙撃訓練」(18CP)

「射撃の達人」の恩恵が、遠距離攻撃に対しても有効となります。

【逆腕訓練】

 マーシャルアーツ完訳版・P40を参照してください。 両手に一丁ずつ持って交互に撃ち分けることで、「反動」の影響を補正しつつ連続攻撃が可能となります。

【タイトロープアクション】

「アクロバットよけ」(ベーシック完訳版・P144)の強化版で、成功すれば「よけ」のボーナスが+2となります。 ただし、失敗したときのペナルティは-3となります。使用タイミングは「アクロバットよけ」に準じてください。 判定の際、自発的に-4の修正をかけるごとに、成功時の「よけ」ボーナスをさらに+1することができます。 このとき、失敗時のペナルティもその分増加します。

【タイトロープアクション】は、成功し続ける限り、1ターンに何度試みても構いません。 一度でも判定に失敗したら、次のターンまでは不可能です(「よけ」の正否は問いません)。 ただし2度目以降は1回につき、「よけ」にもらえるボーナスが1点ずつ少なくなっていきます。 このため、3度目以降は自発的補正で強化しない限り、試みる意味がありません。

「アクロバットよけ」との併用はできません。1ターンに使用できるのはどちらか一方のみです。